UNIXへのいざない

             情報科学II/システム工学 教養ゼミ講義教材

 

 

・ここではUNIX(ユニックス)環境で演習を行う。UNIXは計算機のOS(オペレーティ

ングシステム)の一種で、ワークステーションで多く使われ、最近はパソコンでも使

われている。専門的な仕事をするのに向いているプロフェッショナルの道具といえる。

・ここで使うOSはSolarisといい、UNIXの一種(Solarisはサン・マイクロシステムズ

社の商品名)である。

・計算機はログイン手続き(手順)によって使用を開始し、ログアウト手続きによっ

て終了する。通常はユーザアカウント(ユーザIDともいう、登録された計算機の上

の名前)がないと使えない。今回は各自に割当てられたアカウント名を使用する。

OSの選択、ログイン・ログアウトの仕方については別に説明する。

・ログインできたら端末エミュレータを起動する。右マウスでツールを選び、さらに

端末エミュレータを選ぶこと。

・端末エミュレータの画面が出ると、計算機名% の形式の文字が表示される。これ

をコマンドプロンプトという。コマンドプロンプトが出ている状態(コマンドライ

ン)でUNIXのコマンドを実行できる。exitコマンドによって端末エミュレータは終

了する。端末エミュレータは複数個起動してもよい。

・ここはどこ?私は誰?

次のコマンドを入力してみてほしい(、で区切って書いてある場合独立したものを合

わせて説明している。%コマンド名 (+リターンキー)でコマンドを実行する)。

pwd, whoami

pwdは、使っているファイルの場所(ディレクトリ名という)を、whoamiは自分のア

カウント名を表示するものである。

・date, ls

 dateは今日の日付(と時間)を、lsは今使っているディレクトリに存在するファイ

ル(やディレクトリ)のリストを表示する。

・cdコマンドの使い方を学ぶこと:

 cdは対象とするファイルの位置(カレントディレクトリ)を変更するコマンドであ

る。

・cd .. で一つ上のディレクトリにカレントディレクトリが変わる。cd .. とpwdを組

にして何度か行って見よう。カレントディレクトリがただの/になるはずである。

これをルートディレクトリという。あるディレクトリ(カレントディレクトリ)で、

そこにある一つのディレクトリ(仮にhomeとする)をcd homeのように指定すると、

カレントディレクトリが一段階深くなって指定されたディレクトリとなる。一旦ルー

トディレクトリまで至った後、順次指定して自分のホームディレクトリに戻ってみ

よう。実は単にcdとするとホームディレクトリに一発で戻ることができる。またあ

るアカウントのホームディレクトリはcd ~アカウント名とすることによって指定で

きる。ディレクトリ関係のコマンドはよく理解し、習熟しよう。

・mvコマンドについて

     mvコマンドはファイル名の変更や置場所の変更を行うコマンドである。

     mv 現在のファイル名 新しいファイル名(または新しい場所を示すディレクトリ

名)の形式で指定する。

・mkdirコマンドについて

     mkdirはディレクトリの生成コマンドである。mkdir ディレクトリ名と指定すると

新しいディレクトリを作る。

・manコマンドについて

 あるコマンド名を覚えて、さらに詳しい情報を得たいときman コマンド名とすると

それについて教えてくれる。このコマンドを一つ覚えしているだけでUNIXにかな

り強くなれる。

・echoについて

 echo 文字列 とすると文字列を管面に表示する。

・リダイレクションについて

 多くのコマンドは結果を管面(正確には標準出力という)に表示する。これに

  > ファイル名 をつけ加えると、結果は管面に表示されないで、指定したファイルの

中に蓄えられる。例えば echo 文字列 > フィル名 とすると文字列がファイル

に入る。(> は新たにファイルを作るか、既にあるファイルをゼロにして書直す

(上書きという)ことを意味するが、>> とすると既存のファイルの後ろにつけ加

える) 種々のコマンド結果をリダイレクションしてファイルに入れてみよう。

・文字(キャラクタ)ファイルの表示

 cat ファイル名 でファイルの中身を管面に表示できる。長い行数のファイルは管

面一杯になれば、次々と消えていってしまうが、moreコマンドは管面(ページ)の

はじのところで待っていてくれる(継続はスペースキー、終了はq)。(注意:cat、

moreは文字ファイルを対象としている。文字ファイルでないファイル(後に出てく

る実行プログラムなどのバイナリファイル)を対象にすると管面が乱れるので使わな

いこと。文字ファイルであることはfileコマンドで確認できる。file ファイル名として、

ASCIIテキスト などと表示されたら文字ファイルである。

・文字ファイルのプリント

 一般にはlpr ファイル名でプリントできる。使用条件によりこのままでは使えない

ことがあるので指示に従うこと。

・文字列データの編集について

 計算機プログラムの作成や修正その他に文字列データの編集が必要である。このよ

うな目的に用いるものをエディタ(テキストエディタ)という。代表的なものに

emacsやviがある。日本語の編集にはemacsから派生したmuleを使うことが多い。以

下の説明でmuleあるいはemacsとあるところは相互にemacs、muleと読み替えても同

じである。

・mule ファイル名で、指定したファイルの編集ができる(指定したファイルが既存の

場合はそれを、なければ新たに作って編集対象とする、このコマンドも文字ファイルのみ

を対象とする)。

・muleで編集しているデータは一時的なもので、蓄える操作(セーブ)を行わないと

消えてしまう。セーブはコントロールキーを(適当な指で)押しながら、(別の指

で)xを押し(この操作をC-Xで表す)、更にC-Sとして行う。

・muleの終了 C-X, C-Cで終了する。なおマルチウインドウ環境でソースプログラム

の編集とコンパイルをくり返したりするときは一々muleを終了する必要はない。

・ポインタ(カーソル)の移動

 

 

C-P, C-Nで上下、C-B, C-Fで左右にポインタを動かせる。

・ポインタのある位置で文字をキーインすると、文字位置の直後に文字が入力される。

 また、C-Dによりポインタの指している文字を消去できる。

・行の先頭と最後

 C-Aで先頭、C-Eで最後にポインタが移動する。

・1行消去と復活

 行の先頭にポインタを置き、C-Kとするとその行は消える。C-Yとすると復活する。

 これだけでは大して意味がないが、ポインタを別の位置に移動してからC-Yとする

とその位置に消した行が復活する。つまり、行が移動コピーできる。

・文字列消去と復活

 1行の文字列よりもっと沢山の複数行にまたがる文字列を考える。この文字列の先

頭にポインタを移動し、M-スペース(メタスペースと読む。escキーを押してから

スペースキーを押すことを表す)後、文字列の最後のさらに次の文字にポインタを

移動してからC-Wとする。すると文字列は消去される。ポインタを別の位置に移動

してからC-Yとするとその位置に消した文字列が復活する。つまり、文字列が移動

コピーできる。

・muleにはまだまだ沢山の機能があって便利に使えるがプログラムの編集には当面こ

の程度で足りるだろう。

 

 

参考書 

坂本 文:たのしいUnix、アスキー、1900円

カーニハン、パイク著 石田晴久訳:UNIXプログラミング環境、ア

スキー出版局、3800円

 

 

 

次のところに参考になる情報があるのでアクセスしてほしい:

http://carrot.isl.e.kaiyodai.ac.jp/education/

 

 

 

 

質問や連絡は   oshima%kaiyodai.ac.jpまで

 

 

 

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